ハープの歴史について
![ハープの演奏会の絵本のようなイラスト](https://irishharp.jp/wp-content/uploads/2022/01/SKMBT_C25311090616260_0005-1200x849.jpg)
ハープの音色には、癒しの効果があるといわれています。 繊細で、優しく、心地よい響きが癒しをもたらすのでしょう。
ハープの起源は 弓 であると言われています。 古代メソポタミア文明の壁画などに、その様子が記録されています。
古代ケルトの人々が、アイルランドに移住したのは紀元前6~7年前だといわれていますが、 その頃から、吟遊詩人 と呼ばれる音楽家の人々は、ハープに似た楽器を抱え、歌っていたといわれています。
古代ケルトでは、吟遊詩人の人達は、社会の中でとても高い地位にいました。
![ハープの絵本のようなイラスト](https://irishharp.jp/wp-content/uploads/2022/01/絵(ハープ)-600x753.jpg)
ハープは元々全音階の楽器でした。ピアノの鍵盤で例えると、白の部分の音しか出ず、シャープ、フラットなどの、半音は出せませんでした。
しかし、演奏する音楽が複雑になるにしたがい、ハープも改良する必要性が出てきました。
より多くの音を出せるようにと、様々なハープが開発され、18世紀にペダルで半音の操作が出来るように改良された、グランドハープが開発されました。
グランドハープは現在でも、クラシック音楽などで使用されています。
そして、グランドハープとは別に、アイルランドで発展してきたハープの事を アイリッシュハープ といいます。
グランドハープと比べると、小型で、軽量なのが特徴です。弦の数は特に決まっておらず、製作者によって様々です。
こちらのハープも、最初は半音調節のレバーはついていませんでしたが、いつからかレバーが取り付けられ、半音調節が出来るようになりました。
キャロランの伝記
![ハープの演奏会の絵本のようなイラスト](https://irishharp.jp/wp-content/uploads/2022/01/キャロランの伝記-1200x854.jpg)
アイルランドのハープ奏者で有名なのが、 ターロック・オキャロラン です。
キャロランはダブリンの北方、ミース州で生まれました。
学校に通い、教育をうけていたキャロランでしたが、
18才の時に天然痘にかかり、両目を失明してしまいます。
その後、ハープ奏者の元でハープの修行をしたキャロランは、3年後、
ロー夫人が手配してくれた馬と案内人とともに、ハープ演奏の旅に出ます。
ある時、ジョージ・レイノルズ卿という貴族の元で演奏したキャロランは、
レイノルズ卿に、演奏技術のつたなさを指摘されます。
レイノルズ卿は、キャロランに妖精の伝説を話して聞かせました。
![妖精のイラスト](https://irishharp.jp/wp-content/uploads/2022/01/妖精-600x670.jpg)
「この話を曲にしてみなさい」と、キャロランの作曲の才能を試したのです。
お話をもとに、キャロランは、オリジナル曲を完成させました。
この時に完成した曲が、 「シーベグ・シーモア」 だと言われています。
完成した曲にレイノルズ卿は感動し、 「もっと作曲の才能を伸ばすように」 とキャロランを励ましました。
キャロランはその後、生涯曲を作り続けていく事になります。
キャロランは、訪れる土地で町人や、地主や、貴族のために曲を作っていきました。
婚礼や、お祝いのための曲や、亡くなった人の為の哀歌など、 様々な曲を作っていたようです。
キャロランの遺した曲は 200曲以上 になると言われています。
遺された曲を聞いていると、繊細で、やさしいイメージのするキャロランですが、
彼は陽気で、社交的な人物だったようです。
彼の残した曲は、 アイリッシュ・ミュージックを演奏する者にとって、
重要なレパートリーとなり、 今も生き続けています。
アイルランドのハープ、アイリッシュハープ
アイルランドのハープは、近年になり、再び注目が集まっています。
アイルランドでは、現在でもパブと呼ばれる酒場に集まり、音楽を演奏する習慣があります。
そんな中でも、ハープの演奏は欠かせません。
アイルランドの人達の間には、音楽を演奏することが、日常の楽しみとして
息づいているのです。
アメリカの病院慰問でも、 ハープによる演奏が、最も人気がある と言われています。
静かなハープの音色は、今も人々の心を打ち続けてやまないのです。
![アイリッシュハープの演奏のイラスト](https://irishharp.jp/wp-content/uploads/2022/01/アイルランドのハープ-600x846.jpg)
Illustrations By Nobu